徳高ミニ知識 平成15年度 保護者のための徳高便覧 より

徳 高 小 史
 明治13年に山口県5中学の―つとして前身の旧制中学校が開校し、また、明治45年に前身の旧制高等女学校が開校した。昭和20年5月には戦災により、中学校は―部を残して全焼、女学校は全焼するとともに、学徒動員中の中学生4名が死亡した。その慰霊碑が北側駐輪場傍らの「久遠」碑である。23年には戦時で中断していた同窓会が「岐山会」と命名して復活した。
 昭和25年、高校再編により両校は統合して、山口県立徳山高等学校となった。校舎は28年に統合している。38年には体育館が竣工し、山口国体の会場の―つとなり、ハンドボール部が男女とも全国制覇の快挙を成し遂げた。45年に校訓を制定し、46年には理数科を設置した。   46〜48年、現第1〜3校舎が完工している。46年、都市計画に伴い、玄関側学校敷地が岐山通り敷地となり、運動場拡張用地と交換となった。55年に学校創立100周年記念式典を挙行、60年には「百年史」を刊行している,62年、野球部が念願の「夏の甲子園」に出場し、大応援団が派遣された。
 平成の世となり、4年に現本館棟が完成、11年には現体育館が竣工した。また、最近では、13年に外壁剥落防止工事、14年には旧柔道場(昭和32年建築、近年卓球場として利用)及ぴ旧家庭科棟(昭和28年ごろ建築、近年文化部部室として利用)を解体した,15年3月、旧柔道場跡地に卓球場を主体とする多目的施設を建設・完工した。
 なお、平成15年現在、学校創立123年目、卒業生総数35,600余名である。

校訓    真 健 和
 「真」は学問におけるまこと―真実をいう。真実は学問に対するひたむきな情熱によって求められる。
たえず真実を追求する意欲をもって授業に臨み、自主的態度で学業に専念したい。
 「健」 は心身のすこやかなることをいう。心身の健全さこそは真実追求の土台となるものである。強健な身体、不屈の精神をめざして、不断に心身の練磨につとめたい。
 「和」は互いに心を合わせやわらぐことをいう。和気あいあいたる中に相互の信頼は深まり、高校生活はうるおいあるものとなる。和やかな学園生活の建設をめざして、和の精神を養いたい。


校章と校歌の由来
校章1はかっては男子が学生帽子に使用していたものである。東西校舎の完全統合後の校章選定に際して、徳中時代と同じく中心に「徳」の字を使用し「高」の字と組み合わせたいという意向で、現在の形のものが作成された。学生帽子の2本の白線は知育と体育を表し、知育と体育を平行にして、それを中央で徳育の徳で結ぶという発想があった。
 校章2は徳山高等女学校以来の伝統をそのままに使用し、八咫鏡(やたのかがみ)(三種の神器の―つ)の八角形をモチーフにしている。中央の「高」を浮き彫りにしている円形の白色は純潔と知性を、全体の紫色は温雅貞淑をそれぞれ象徴している。
 校歌は昭和3年11月10日に制定発表された。学校の沿革と現状、徳中の教育方針、郷土史、名勝、旧跡などを材料とし、斯道の大家たる文学博士高野辰之氏(代表作に唱歌「春が来た」・「故郷」など),衣頂し歌詞ができあがった。作曲は東京音楽学校教授の信時潔氏(代表作に「海征かば」など)に依頼して完成した。歌詞中の「春先ず萌む青柳は 魁せよと教へつつ」は当時の田中接校長のモットーとして生徒に深く刻み込まれた「―歩先んせよ(One step ahead)」の精神を詠い込んだものである。新制高等学校になってもこの校歌は受け継がれた。徳中時代は三番までの歌詞があったが、時代性から省略されて現在に至っている。

徳盛んに、かぐわしく世を支える人物たれ・・・耿光碑とオガタマの木の伝統
 明治41年4月12日、皇太子殿下が親しく本校を訪問され、学業の状況を御覧になった。この皇太子行啓の1周年の記念に、「行啓記念碑」が玄関前円庭に建てられた。文字は中国の四書の―つ「書経」から選定された。その文字は「耿光」であり、当時の県知事の揮毫になるものである。
 「耿光」の二文字は、書経では淳徳を称揚するのに用いられている。「百年史」によれば、耿光は「明らかな光」を意味し、「徳の盛んなるさま」をいう。
 碑の傍らには、オガタマの木が植えられた。この木はモクレン科の常緑樹で、春に芳香を持つ白色の花をつけ、実は熟すると赤くなる。
 こうして、徳を身に付けて、「清純な心に生き、情熱を胸に秘める生徒が、亭々とこの世にそそり立ち、かぐわしく世を支える人物となる」(「百年史」)よう願いが込められた。
 今も、碑と木は、玄関の傍らにあって、登下校する生徒を見守っている。

教育目標 ・教育方針
教育目標
伝統を継承し、教師・生徒の相互の信頼感を深め、不断の勢力によって学カの充実した心身共にたくましい生徒の育成を目指す。
教育方針(1)―歴史の中で
* 校訓「真・健・和」を日々の活動の基本に据える。
* 校風「文武両道」の中で、学習と部活動の両立を目指す。
* 伝統「耿光」「オガタマの木」に込められた願いを継承する。
教育方針(2)―現状を踏まえて
* 進学を中核に据え、部活動にも頑張る学校
* 2学期制・隔限60分授業による週学習時間数の増加
* 生活指導重点努カ目標の設定による生活基本マナーの教育
* 先輩の講話や奉仕清掃活動等による心の教育と社会性の涵養


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